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【VIVA VC シーズン3 第20回】組織力を高めるリーダーシップ

2026.08.10

Podcast

【VIVA VC シーズン3 第20回】組織力を高めるリーダーシップ

はじめに

プレイヤーとして最高地点の結果を出す。それだけで評価される時期は、多くの人にあります。しかしある段階から、その延長線上では立ち行かなくなります。ファーストライトキャピタルでプリンシパルを務める真島が向き合っているのは、まさにその局面です。自分の投資も、LPとのやりとりも、企画の設計と運用も担いながら、同時にチームで仕事を進めていく。そうしたプレイングマネージャーの立場では、やり方が分かっている仕事ほど、細かなタスクとして渡してしまいがちです。

一緒に働く人たちに主体性を持って取り組んでいると感じてもらうために、リーダーは何をすべきでしょうか。代表の岩澤との対話から考えます。

※この記事は、ポッドキャスト「VIVA VC」シーズン3第20回をもとに作成しました。番組では、組織力を高めるリーダーシップについてさらに詳しく語っています。ぜひお聴きください。

プレイヤーの流儀では届かない領域がある[3:00-9:20]

真島が身につけてきたのは、背中を見て技を盗めという世界の作法です。自分を鍛える上では機能しましたが、メンバーの主体性を引き出す場面では通用しません。自分がプレイしている時の進め方のサイクルと、一緒に働くメンバーのサイクルは異なります。そのスピード感の差を埋めようとするほど、手と口が先に出てしまいます。

出発点は、自分の当たり前を疑うことです。自分にできる仕事の量やスピードは、他の人にとっての当たり前ではありません。「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という格言は、岩澤自身のマネジメントスタイルを変えるきっかけになりました。

人を「スキル」で見るか、「やる気の源泉」で見るか[9:21-12:20]

普遍的に共通するものもあります。どういう時にやる気が出るか、という点です。期待をかけられている、任されている、必要な時に手を差し伸べてもらえる。そうした瞬間にやる気が湧くのは、立場を問わず変わりません。

多くの場合、人はメンバーをスキルで見ます。ここまではできるが、ここから先はできない。その見方でタスクを渡すと、欠けている部分ばかりが目につきます。一方、その人のやる気がどこから湧くのかを見ていけば、見えてくるものは足し算にしかならず、声のかけ方も変わります。

さらに見落とされがちな論点があります。指示通りに動いてもらう進め方では、最後に意思決定をするのは常に自分一人です。メンバーが増えても、組織全体の意思決定の総量は一人分から増えません。任せているように見えて、実際には自分の視野の範囲に事業が閉じてしまいます。

こだわりは捨てられない。ならば、新しいことに熱中する[12:21-14:30]

真島にはためらいもあります。コンソーシアム、ファンドレイズ、投資という現在の活動はすべてつながっており、遠心力と同じくらい、一つにまとめる求心力も大事だからです。

これは起業家にも共通する構図です。第一のプロダクトへのこだわりが強すぎて任せられず、次に進めないままスケールの機会を逃す会社は少なくありません。ここでの答えは、こだわりを無理に捨てることではありません。捨てられないこだわりを人に任せることほど無意味なことはなく、そこは徹底的にこだわればよい。ただし事業を大きくし、より多くのステークホルダーに価値を届けるには、新しいことを立ち上げる必要があります。そこに自分が熱中すれば、これまでの仕事は必然的に誰かに任せることになります。

任せるのは「時間に余裕のある仕事」から[11:31-終わり]

とはいえ、新しいテーマへの移行には数年単位の時間がかかります。その手前で実践できるのが、業務を「時間」で分けるという方法です。

まず、絶対に自分が渡せない領域を明確に言語化します。その上で、残りの業務を時間に余裕があるものとないものに分ける。余裕がないものは、どこかで「ここから先は自分がボールを持つ」と引き取らなければクライアントに影響が出るため、任せられる時間軸をあらかじめ決めておきます。逆に、契約書の作成のような余裕のある業務は、あえて我慢する。何サイクルも回せるため、経験値を積んでもらう機会になります。

切迫した仕事を任せ、うまくいかなければ自分でやる。この繰り返しがマイクロマネジメントを生みます。リーダーに求められるのは、タスクを洗い出し、優先順位だけでなく時間的緊急性の軸でも整理することです。千葉県の熊谷知事が「スマートボール理論」と呼ぶ、職員一人ひとりが自分事として動き出すまで待つという発想にも、同じ「我慢」が通じています。

おわりに

自分の当たり前を相対化し、メンバーをスキルではなくやる気の源泉で捉え、余裕のある仕事から任せていく。一つひとつは地味ですが、明日から着手できることばかりです。

真島には一つの自覚があります。自分に余裕がなければないほど、相手のことを考えられなくなるということです。だとすれば任せることは、相手のためであると同時に、自分が相手を思いやる余裕を取り戻すための手段でもあります。日々悩みながら、やりながら身につけていく。リーダーシップとは、そういうものなのかもしれません。

※この記事は、ポッドキャスト「VIVA VC」シーズン3第20回をもとに作成しました。番組では、組織力を高めるリーダーシップについてさらに詳しく語っています。ぜひお聴きください。

執筆 : 岩澤 脩 | ファーストライト・キャピタル 代表取締役・マネージングパートナー
編集 : ファーストライト・キャピタル | リサーチ・チーム
2026.8.10

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