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ゲストに株式会社ユーザベース 代表取締役 Co-CEO 佐久間 衡氏を迎え、「プロダクト創成までの歩み方 ~ターゲット選定からPMF達成への道~」というテーマにてトークセッションを実施した。
初期プロダクト開発期における課題、ターゲット選定の考え方、PMFまでの歩み方・その判別について、ユーザベースでの実体験を踏まえた見解を伺った。本稿ではそのサマリーをお届けします。
大きな市場の獲得は、小さな市場の独占の連続でしかない
起業家にとって、初期に考えなくてはいけない最重要事項が、顧客ターゲティングである。
狭く、具体的なターゲティングではスケールの難しさがある一方、広くターゲティングをするとユーザーに深く刺さらないサービスとなる懸念が生じる。
このターゲティングの捉え方ついて、佐久間氏は「大きな市場の獲得は、小さな市場の独占の連続でしかない」と言い切る。
ユーザベースの祖業であるSaaSプロダクトSPEEDAでは、初期のターゲティングをプライベートエクイティファンドやM&Aブティックファームなど、非常に限られた対象と設定していたという。
その数、わずか数十社程度。
そうした具体的な顧客像に対し、Day1から使えるような業務に直結するプロダクトを届けることで、競合が提供できない価値を見出し、小さな市場を独占することに成功した。
その後は、コンサルティングファーム、投資銀行など周辺領域へターゲットを徐々に広げながら、小さな市場の独占を積み重ねていった。その結果、より大きな市場の獲得を実現することができた。
SaaSプロダクトは既存の開発型のシステムと異なり、誤った顧客ターゲットからは容易に解約されてしまう。
そのため、確実に価値を届けることができる少数の顧客を初期ターゲットに定め、顧客の課題解決につなげていくことが重要なことだと、佐久間氏は説いていた。
編集:飯塚 大智 | ファーストライト・キャピタル インターン
2021.10.06
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