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プロダクトがひしめく競争市場でカンリーが実現した圧倒的成長の秘訣とは

2025.06.25

成長支援

プロダクトがひしめく競争市場でカンリーが実現した圧倒的成長の秘訣とは

飲食店・小売店・サービス業などの店舗型ビジネスは近年、コロナ禍、人手不足、コスト高騰、といった様々な障壁にぶつかってきた。多岐にわたる課題を解決すべく、様々なスタートアップやプロダクトが生まれ、デジタルシフトの大きな波も起こりつつある。しかし、多くの競合がひしめく市場でスタートアップが勝ち残ることは容易ではない。

日本の産業を進化させるというミッションのもと、起業家向けソーシャルクラブ「Thinka」をアップデートした「Thinka+」では、2025年5月に第3回のイベントプログラムを開催。

今回は、店舗経営を支援するプロダクトで選ばれ続けてきた先駆者、株式会社カンリー代表取締役Co-CEO・辰巳衛氏をお招きした。飲食・小売・サービス業などの業界でイノベーションを興そうとする起業家に向け、市場ニーズを見つけ勝ち残り続けるための競争戦略について、熱く語っていただいた。

本記事では、クローズドなディスカッションの中から、外部公開の許諾が得られた内容に限定し、コンテンツ化していく。

店舗ビジネスにおけるマーケティング、採用、バックオフィスなどを一気通貫でDXするカンリー

――まず辰巳さんから、カンリーの事業と会社についてご説明ください。

辰巳:カンリー代表取締役Co-CEOの辰巳と申します。カンリーは2018年に設立したスタートアップで、現在社員数は約150名。ファーストライトさんにはシリーズAの時から継続してご支援いただいています。

カンリーでは共同代表制を採用しており、私は元商社マン、もう1人の秋山は元銀行員という組み合わせです。社会人2年目から4年目までルームシェアをしていた仲で、現在では10年以上の付き合いになります。

投資家からは「共同代表制にしたら揉めるのではないか」とよく指摘されました。もちろん、人なので喧嘩することはよくありますが、心の距離が離れたと思ったことは一度もありません。お互いのことを信頼&リスペクトし、私たちのバリューである「正直であれ(対話)」で乗り越えています。Googleも共同経営で成功した例がありますので、私たちもGoogleを超える会社を目指して、25歳の時に起業しました。もちろん共同代表制にはリスクもありますが、それを乗り越えることで強固なチーム組織が構築できると考えています。

当社が最も重視しているのが「バリュー(行動指針)」です。「創業初期にバリューを作る意味があるのか」「形式的なものになってしまうのではないか」という疑問を持つ方もいると思いますが、私たちはユーザベースさんを参考に1期目から作成し、行動の羅針盤になってくれているので非常に良かったと感じています。

カンリーの5つのバリュー

チームで勝つことを重視する会社であるため、バリューの徹底が最大の強みです。「バリューが社長」という考え方で、会社でバリューを最も体現できる人物が社長であるべきだと考えています。

私と秋山は対立を避けるため「謝罪・指摘・感謝」のルーティンを毎週実施しています。この1週間の謝罪すべきこと、改善点の指摘を文章化し、LINEで送り合った後、対面で直接話し、最後は感謝を伝えて握手で締めくくります。

カンリーのミッションは「店舗経営を支える 世界的なインフラを創る」ことです。お客様は明確に「店舗」。飲食店をイメージされることが多いのですが、美容室、ドラッグストア、小売店など、実店舗を持つビジネス全般を対象としています。

私が商社にいたこともあり、サービスとしては「店舗版総合商社」を目指しています。商社はラーメンからロケットまで必要なものを必要なタイミングで供給できる強みがありますよね。それと同様に、カンリーに依頼いただいたらマーケティング、採用、バックオフィスなど、あらゆる領域を一気通貫で店舗の経営課題をDXできる環境を構築したいと考えています。

カンリーのプロダクト一覧

マーケティング専門や採用専門の支援会社は多くありますが、店舗経営者からは「1社で全てを対応してほしい」というご要望をいただきます。1社で完結すれば管理が楽ですし、データも全て連携し、経営判断がしやすくなるためです。当社は従来の枠組みにとらわれず、全方位的なサービス提供を行っています。

現在はHRとマーケティングの2領域に特化していて、メインプロダクトは『カンリー店舗集客』。多様なマーケティングチャネルを一元管理しDXを実現するサービスです。ホームページ作成からSNS運用まで全て代行する『カンリー丸投げ集客』では、包括的サポートも行っています。また『カンリーAI面接』では店舗の面接負担を軽減し、『カンリー福利厚生』ではアルバイト向け福利厚生サービスを提供しています。

現在は約30億円の資金調達を実施しており、お客様は全国で11万店舗、飲食店が3割、非飲食業が7割となっています。

カンリーの概要

消費者は店舗を探す際、ホームページやGoogleマップ、Yahoo!マップ、SNSなど様々な媒体を利用しますが、店舗側からすると、これらの媒体全てを管理するのは本当に大変です。例えば、数百店舗を展開するチェーン店が営業時間を変更する場合、店舗数×媒体数分の工数が発生します。さらに、営業時間だけでなく、メニュー変更、写真更新、口コミ管理など管理事項は多岐にわたるのです。

カンリーではこれらを一元管理することで、多重管理の問題を解消しており、『カンリー店舗集客』は店舗集客・MEO(Map Engine Optimization)対策支援において国内シェア1位を獲得しました。

創業事業を「捨てる」決断が功を奏した

――ナンバーワンになられたことは素晴らしいですね。辰巳さんは商社、秋山さんは銀行と、店舗経営とは異なる分野のご経験をお持ちですが、どのように「店舗経営」という領域にたどり着かれたのでしょうか?

辰巳:創業事業は「宴会幹事代行サービス」でした。商社マンや銀行員として私たちが最も得意だったのが「宴会の幹事」だったからです。自社でコールセンターを立ち上げ、ビジネスパーソンからの電話に応じて最適な店舗を人力で探して紹介し、店舗側から手数料をいただくという、シンプルなビジネスモデルでスタートしました。

しかし、創業当初は資金が乏しく、生活費にも事欠く状況でした。生きるために、治験に参加して収入を得ていた時期もあります。そんな中で熱意が伝わり、エンジェル投資家から出資を受けられたことが転機になりました。

出資金を活用し、それまで人力で行っていたサービスをWebサービス化しました。酒類メーカー別やユーザー属性(例:電通社員の行きつけ店)などでセグメント化し、検索できるようにしたところ、順調に登録店舗や登録者数が増えていきました。

ところが、新型コロナウイルスの感染拡大により状況が一変。売上が激減し、当時10名ほどいた社員を維持したままだと、1〜2か月で資金が底をつく見込みでした。この危機的状況の中で出会ったのがユーザベースの稲垣さんです。

稲垣さんと話す中で、自分たちが目先の資金繰りに追われるあまり、長期的な視点を見失っていたことに気づかされました。一方で、倒産の危機を社員に伝えても誰も退職せず、逆に「みんなでこの会社を再建しよう!」という団結力が生まれたのです。その後、資金調達に成功し、調達した資金をテクノロジーに集中投資することで、現在のカンリーが誕生しました。

――その時の資金調達はどのようなストーリーで行ったのですか?

辰巳:当時はサービスも形になっていない状態でしたが、熱意を評価していただいた形です。実は、秋山と一緒に1対2で利用していたパーソナルトレーナーが経営者の方を生徒に多く持っており、その方々がエンジェル投資家となってくださり、数千万円を調達しました。

――それはなかなか珍しいことだと思いますが、何が投資家の心に響いたと思われますか?

辰巳:様々な要因がありますが、「良いチームだ」という評価が印象的でしたね。何らかの方向転換をすれば成長できる会社だと見込んでいただけたようです。また、宴会幹事代行サービスの延長として飲食店向けのコンサルティングも行っていたため、「泥臭く収益を上げようとする」姿勢も評価されました。

あとは、創業事業を「捨てる」決断ができたことです。起業家には信念と執着心は重要ですが、コロナ禍において宴会市場は完全に動かなくなり、どうしようもない状況だったので、もし信念だけで続けていたら会社は倒産し、社員が路頭に迷う結果となったでしょう。事業への思い入れはありましたが、わずか1か月で意思決定ができたことが、「将来を見据えて行動できる経営陣」と評価された大きな要因だと思います。

宴会幹事代行サービスを通じて飲食店がコロナ禍で苦しむ姿を間近で見てきました。そこから「飲食店を救うサービスを作りたい」という当事者意識が芽生え、現在のカンリーに至ります。

当時の市場状況を見ると、コロナ禍で売上が減少する中、従来は有料メディアを利用した集客が主流でした。自社のSNS、Googleマップ、ホームページなどを活用した自前のコンテンツでの集客は一般的ではなかったのです。

しかしコロナ禍によって、限られた資金で効率的に集客する方法が必要とされ、これが「オウンドメディアの一元管理」という発想につながりました。また、営業時間が頻繁に変更される状況も、人手不足と相まってDXニーズを後押ししました。

当時は資金も限られていたため、「売ってから作る」というアプローチを取りました。営業時間の変更やメニュー情報の更新、SNSで集客していくための写真アップロードなど、様々な媒体があると管理が大変だという仮説があったので、『カンリー店舗集客』の原型となるモックアップを作って受注し、その後で開発リソースを確保したのです。

モックアップを見て、お客様の目の色がみるみる変わり「今すぐにでも契約したい」という声をいただきました。ビル・ゲイツも最初の受注は構想段階のプレゼンテーションだけだったというエピソードがありますが、真にニーズを捉えたサービスはサービス開発前でも売れるものなのだなと感じました。

――当時、日本ではまだMEO(Map Engine Optimization)市場が確立されていない段階だったと思いますが、何か参考にしたものはありましたか?

辰巳:海外の企業も参考にしました。実は当時、その企業が日本に進出してきたタイミングで、カンリーのお客様にも営業をかけていました。彼らは大企業で、お客様から「彼らのサービスはカンリーさんより圧倒的にすごいよ」と言われたりもしました。それでも「同様のサービスを頑張って提供します」と熱意を伝え開発を進め、結果として今でもそのお客様には継続してご利用いただいています。

正式リリース前に業界大手企業に次々と導入が決まった理由

――正式リリースは2020年7月、弊社ファーストライト・キャピタルとの投資面談はその約半年後だったと思います。その時点ですでにMRR(月間経常収益)が1,000万円ほどあったと記憶しています。

辰巳:PR TIMESでプレスリリースを行ったところ、問い合わせが殺到したのです。それも商談すればほぼ全て受注している状況で、「こんなことがあるのか…!」と驚きましたね。当初は飲食店向けを想定していましたが、メガネ店など全く異なる業種からも問い合わせがあり、水面下で約7,000店舗まで拡大しました。

――その後、海外企業の進出や国内スタートアップの参入、大手企業の参入など様々な動きがあったと思いますが、市場についてはどのように見ていましたか?

辰巳:当時から「コロナ禍で店舗にマーケティング予算があるのか」「倒産しかけている店舗にニーズがあるのか」と否定的な声も聞きました。しかし、実際には『カンリー店舗集客』は売れていました。飲食店情報プラットフォームは直接顧客を送客するサービスなので、人が来なければそこへの予算が削減されがちな一方で、私たちが提供するのは生産性向上。店舗側も「コロナは一過性」と考え、経営のスリム化やDX推進を通した生産性向上のための予算は確保されていたのでしょう。

また、エンタープライズ向けプロダクトとしてスタートしたことも大きかったと思います。カンリーは中小の店舗にとっては厳しくても、エンタープライズにとっては魅力的な価格帯になっていたので、その絶妙なポジショニングは功を奏したと考えています。

――リリースから半年後にお会いした時点で、すでにプロダクトは機能が充実していて、チームも整っていた印象があります。カンリーのユーザーに話を聞いたときも「機能が便利で、いろいろな場面で使える」「カスタマーサクセスも最高」と話していました。リリースからわずか半年のプロダクトとは思えないほど完成度が高かったのですが、どのように実現されたのでしょうか?

辰巳:当初からスピード開発を重視していましたが、組織面としてまずは良いチームづくりに集中していました。将来的に市場での競争が激化すれば、最終的には組織力で差がつくと考えていたからです。創業当初から私たちの強みは組織力だと認識していたので、バリューの浸透と徹底した採用活動に注力しました。数年追いかけ続けてようやく入社する人材も少なくないくらいです。

人材不足、特にエンジニア確保の課題は多くの企業が直面していますが、それは自分たち自身の問題でもあります。私はある時ビズリーチ創業者の南壮一郎さんから「出会う人全員を採用候補者だと思っているか?」と助言されたことをきっかけに、狂気的に採用活動に取り組むようになりました。

結婚式で隣の席だった人に話をしたり、カフェで隣に座っていたエンジニアに声をかけたり、あらゆる場面で採用機会を作りました。SNS経由でもこれまでに約50名を採用しています。

オウンドメディアとリファラル採用を重視して良いチームを構築する。そうすれば良い組織基盤ができ、どのようなプロダクトでも勝機があると考えています。

事業面では、店舗ビジネスを対象としているため、特にカスタマーサクセスとUI/UXを重視しました。店舗の方々はいくら優れたサービスでも、ITリテラシーが障壁となり使いこなせないことが多いのです。競合の海外企業は素晴らしいプロダクトを開発していましたが、当時は店舗の方にとっては複雑すぎて使いこなせないという声がありました。

カンリーでは「学生アルバイトの方でも使える」というシンプルさにこだわりました。プロダクトが使えても、情報発信管理はダイエットと同じで一人では継続が難しいため、“ライザップのような”手厚いサポート機能も必要だと考えたのです。カスタマーサクセスが背中を押し、一定の軌道に乗せることで、シンプルなUI/UXがより生かされるようになります。

――それがお客様からの「CSが最高」という評価につながったのですね。セールスの場面では競合他社とコンペになることはありませんでしたか?

辰巳:現在はコンペも増えてきていますが、そもそも市場には500万〜800万店舗あると言われており、カンリーの11万店舗はまだまだ一部でしかありません。まだ成長の余地は十分にあります。

というのも、「店舗のマーケティング」に特化している企業が意外と少ないのです。例えば大手広告代理店にとっては、そもそも店舗ビジネスは予算規模の面で効率が悪いため、あまり注目されていません。しかし私たちはそこに可能性を感じています。店舗ビジネスが拡大すれば、マーケティング領域にとどまらず様々な展開やマネタイズ方法が考えられるからです。大手からすると魅力的な市場に見えなかったという点が、スタートアップとして戦いを挑めた理由の1つです。

もう1つのカンリーの強みとして、決裁者への直接営業が挙げられます。現状では決裁者を中心に受注しているのです。プロダクトのプレスリリースを打つ前に水面下で7,000店舗導入を実現した当時の営業手法として、直筆の手紙を書くことを徹底していました。

――他にリード獲得で効果的な手法はありましたか?

辰巳:業界別の交流会、展示会への出展も重要な機会ですし、テレアポももちろん行います。リード獲得においては地道な活動を続けることが重要だと思います。

カンリーが幸運だったのは最初から飲食、美容室、ドラッグストアなどの業界を代表する企業が導入してくれたことです。そうした先行事例があると、そこからの展開は比較的容易でした。

共同代表制を生かした「深化」と「探索」を実践

――Co-CEOの辰巳さんと秋山さんの役割分担はどのようになっていますか?

辰巳:共同代表制の最大のリスクは「役割の重複」です。逆に、互いが別々の領域を担当することで攻撃力が2倍になります。私たちは2〜3年共同で事業を見た後、十分な信頼関係ができたと判断し、役割分担を行いました。具体的には私が既存事業のマーケティング領域を担当し、秋山が新規事業を担当することになりました。現在は領域ごとに担当を変えることにしています。

今では共同代表制の強みを大いに生かしていると思っています。例えば、社員との社長面談もどちらかが対応できれば良いですし、トラブルが起きたときにもどちらかが対応しながら、もう一方が営業活動を続けられるなど、様々な状況に対応できます。会食もも、2人いれば1日計2回分参加できます。社長というリソースが2倍あることはつまり、攻撃力も2倍ということです。これは大きな強みですね。

――カンリーさんは徐々に新しいプロダクトを開発され、事業領域を広げていっています。既存事業の深化と新規領域の探索のバランスはどのように取っているのですか?

辰巳:前提として私たちは「Googleを超えるような世界で勝てる会社を作りたい」という志を持っています。非連続的な成長や非常識なことに挑戦することが好きな気質なのです。大きく成長した企業の多くは複数の事業やプロダクトを持ち、領域も多角化していて、当社もこの流れに乗っていこうと考えています。

先ほどからお話ししているように、私たちの強みは代表が2人いること。1人なら1つの領域に集中せざるを得ない場面も多いかもしれませんが、2人いれば別々の領域に取り組むことができます。これを生かしていこうということで秋山を中心に新規事業の探索をスタートしました。

結果として『カンリーAI面接』や『カンリーワーク』は秋山が主導し、『カンリー福利厚生』は私が主導して立ち上げました。今では阿吽の呼吸でプロダクトごとに対応できるようになっています。

――様々な事業アイディアがあったと思いますが、その中で新たな事業へと昇格させる際には、どのように判断していますか?

辰巳:主に2つの要素があります。1つは情熱です。新規事業にはリスクが伴いますが、失敗を恐れずに取り組める熱意を持てるかどうかを重視しています。もう1つは、お客様の「目の色が変わる」瞬間です。モックアップを見せた時に明らかな反応の変化があるかどうか。この2つの要素がそろった時にGOサインを出すようにしています。

また、プロダクトごとのP/Lを作成し管理し、感情的な判断や思い入れで引くに引けなくなる状況を避けるため、最近では徐々に基準を整備しています。

――複数のプロダクトを立ち上げ成長させていくことができている背景には、どのような核となる強みがあるのでしょうか?

辰巳:結局はバリューに行き着きます。事業が失敗した時には、批判や社内対立、嫉妬などは、人数が増えると必ず発生します。しかし、バリューがあるからこそ、これらの課題を乗り越えることができるのです。

ただし、バリューが行き過ぎることも問題です。例えば「正直であれ」というバリューを盾に、何でもかんでも自分の主張を通そうとするケースがあります。「利他主義」というバリューを盾に「社員が困っているのに新規事業を始めるのは利他主義に反するのではないか」といった発言も起こり得ます。そこで、当社では評価制度に工夫を加えるなどの対策を行っています。

人間である以上、対立は必ず起きます。そのような時こそ、向き合って話し合える環境、チーム経営をうまく機能させる仕組みを作ることが最も重要です。

――ありがとうございます。最後に、店舗ビジネスの世界で事業に取り組むスタートアップ起業家に向けてメッセージをお願いします。

辰巳:ある研究によると、織田信長はある時点から領土拡大(ビジネスにおける売上拡大に相当)が指数関数的に伸びていったそうです。これは何かの戦に勝ったといった象徴的な成功があったタイミングではありません。「ビジョンを明確に掲げた時期」と一致していると言われています。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、経営者の役割は大きなビジョンを掲げ、全員のエネルギーを結集することです。孫正義さんや柳井正さんなどの偉大な経営者たちも同様のことを実践しています。

当社も「店舗経営を支える世界のインフラになる」という大きなビジョンを掲げた瞬間から優秀な人材を採用できるようになりました。店舗をDX化することで店舗とその顧客の双方が幸せになれると信じています。私たちは消費者としても飲食店を利用し、美容室でカットし、ドラッグストアで買い物をします。それを支えるためには、店舗が本来持つ創造性や接客、料理の質など、クリエイティブな部分に注力できる環境を作ることが大切なのです。

こうしたビジョンを掲げた時から、多くの人が信頼してくれるようになり、組織が拡大していきました。創業時には難しい局面もありますが、ビジョンを掲げて断言することは非常に重要です。参考になれば幸いです。


取材・記事執筆:斎藤健二
編集:ファーストライト・キャピタル SaaS Research Team
2025.6.24

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