2024年11月5日をもって、「UB Ventures」から「ファーストライト・キャピタル」に社名変更をしました。
UB Venturesは、所属するベンチャーキャピタリストのスタートアップ経営やSaaS事業立上げの経験を活かし、「SaaS特化型VC」としてスタートしました。2018年に第1号ファンド、2021年に第1号グロースファンドを組成し、これまでに30社以上のスタートアップの成長支援を行ってきました。
ファーストライトの投資先(2024年10月時点)
創業から6年目の今年、「人口減少社会におけるイノベーション創出」を新たな投資テーマに掲げ、100億円規模の新ファンドを立ち上げました。
そして、2024年11月5日をもって、社名も新たに再スタートを切ります。
社名変更の理由について
今回の社名変更はMBOではありません。
6年間活動をしてきて、新ファンドも組成し、株式構成も変わらないにもかかわらず、なぜ社名を変えるのか?
理由は二つあります。
一つは、社名に「「UB(ユーザベース)」の名前を冠することでのコミュニケーションコストを減らしたい」ということ。
もう一つは、「自分たちの大事にしているバリューを社名で表現したい」ということです。
理由① 「UB(ユーザベース)」の名前を冠することでのコミュニケーションコストの低減
6年間VCとして活動してきたなかで、多くのスタートアップ、VCの方から「UBVはユーザベースのCVCではないか?」といわれることが多々ありました。
加えて、会社名も「UB Venturesではなくユーザベースベンチャーズ」「UBV(ユービーブイ)ではなくUVB(ユーブイビー)」と間違えられることも少なくありませんでした。
改めてですが、ファーストライト・キャピタルは、ユーザベースのCVCでなく、ユーザベースとの長期的なM&Aを目的とした投資を行っていません。ファーストライトは、金融機関をはじめとする外部の投資家から約140億円をお預かりし運用する純投資事業です。
投資先の成長のためにグループのネットワークはフルに活用しますが、追求するのは事業シナジーではなく投資先の成長によるキャピタルゲインです。
また当然ながら、投資の意思決定はユーザベースから完全に独立しています。
投資判断の独立性を確保するために、私自身もユーザベース本体を退職して、共同パートナーである頼とGP会社(ファンド管理会社)を設立し、ファンドの運営を行っています。
理由② 自分たちの大事にしているバリューの表現
「社名はアイデンティティの表現であり、企業の輪郭となる」ーーーー
多くのスタートアップとの出会いを通して、「社名がもつ役割」というものを感じる機会が増えていきました。
時には求心力を高める名前であったり、
時には何かに抗う名前であったり、
社会に何かを約束する名前であったり、
実際に社名変更を行うことで、チームの誇りと結束を高め、成長スピードが加速するという場面を何度か見てきました。
社名はその存在意義を伝えるシンボル的役割なのだと思います。
私たちは、創業以来大事にしてきたことを言語化し、2022年に「事業家による起業家のための100年VC」というコーポレートビジョンを、2023年に「Our Ethos 約束する価値観」という行動指針を作成しました。その集大成が、社名変更でした。
100年つづくVCとなるために、私たち一人ひとりが大切にしてきたこと、社会に約束することを社名で表現する。
それがもう一つの理由です。
新ファンドの組成がおわり、ここからより一層投資に注力することから、このタイミングで社名を変え、起業家や投資家の皆さまから「ピュアなベンチャーキャピタル」と認識していただきたい。
そのような思いで、社名変更を意思決定しました。
UBVが大切にしてきたこと
100年つづくVCとなるために、「私たちが社会に約束することは何か?」ということを言葉にしたのが、下記のOur Ethos(エトス)です。
私たちは、多様性と共通の価値観の共存を大切にしてきました。ベンチャーキャピタリストそれぞれの際立つ個性がありつつ、大切にしている価値観や「らしさ」は共有されている。
そして、今のメンバーが代交代したとしても、その「らしさ」は100年にわたり引き継がれていく。その根っこにある「社名」は、価値観を未来に伝える媒体の一つなのかもしれません。
リブランディング進めるにあたり、世界中のVCの社名を調査し、色々な社名のパターンがあるということがわかりました。
創業者の名前、植物・動物の名前、場所の名前、投資スタイルを表す名前など、それぞれのVCのアイデンティティを表現しています。(そういう視点で見ると各社の特徴を表していて面白いです。)
「クールでかっこいい名前」や「インパクトのある名前」も、もちろん素晴らしいのですが、私たちは「私たちの価値観をストレートに表現する名前」が「らしさ」であると思い、100近い社名の検討を進めました。
その結果、出てきた言葉が———
FIRSTLIGHT(ファーストライト/はじまりの光)
FIRSTLIGHTに込めた想い
ファーストライト・キャピタルのロゴ・タグライン
FIRSTLIGHT(ファーストライト)に込めた想いは以下です。
起業家の原体験が揺るぎない決意(ビジョン)に変わる瞬間、 まだ世の中の誰もが気付いてない時から、起業家に真っ直ぐに光を当てる存在でありたい。
起業家のビジョンに向かう過程で直面するハードシングスにも共に向き合い、暗闇の中でもその進むべき道筋を照らし続ける存在でありたい。
時流や偏見に流されることなく、いつも本質に光の焦点をあてる存在でありたい。
新産業のはじまり、最初の光に立ち会う存在でありたい。
また、ブランドロゴは、起業家を照らす光源をとして、ドラマティックな曙の空を切り裂いて地平線から立ち上ってくる朝日をモチーフに、創業以来私たちをサポートしてくれている「デザインで」さんが作成してくれました。
よく見るとロゴの中に「曙光創投」という漢字が入っていますが、
これは、「アジアから世界を変えるスタートアップを支援する。私たちもアジアにチャレンジする」という表明でもあります。
終わりに
2018年、VC経験者が誰もいない中で手探りで立ち上げたUB Ventures。
5億円のファンドを運用できればよし、とスタートした私たちも、現在では3つのファンドで合計140億円を運用させていただくに至りました。
創業から6年、ここまで来ることができたのは、私たちを信じてくれた投資先や投資家の皆さん、そして私たちを支えてくれたメンバー全員のおかげです。この場をお借りして、皆さんに深く感謝を申し上げます。
これからも、私たちが大切にしてきたことを、次世代に脈々と引き継いでいき、社会にとって意味のあるベンチャーキャピタルとなれるよう邁進していきます。
これから、ファーストライト・キャピタルをよろしくお願いいたします。
執筆:岩澤 脩 | ファーストライト・キャピタル 代表取締役・マネージングパートナー
2024.11.06
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